BIS規制(バーゼル合意)とは

BIS規制(バーゼル合意)に基づく自己資本比率Tier1の額などは、銀行の健全性の指標として大きな意味を持っています 。

しかし、BIS規制は、銀行に特有の規制であるため、株式投資のための財務諸表の分析等を行ったことがある方でも、用語や数値の意味・算出方法にあまりなじみがないのではないかと思います。

そこで、ここでは、健全性のランキングの基となっているBIS規制について概要を解説しています。(詳細な解説は随時追加していく予定です。)

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BIS規制(バーゼル合意)とは?

BIS規制とは、国際的に業務を行う銀行については、自己資本比率を8%以上に維持しなければならないという規制です(国内のみで業務を行う銀行については4%以上)。海外ではバーゼルと呼ぶのが普通ですが、日本ではBIS規制の方をよく耳にします。
銀行の経営の安定性・継続性や国際間での金融安定化などのために、健全性に関する規制として、1988年から導入され、2007年から新BIS規制(バーゼル2)へとバージョンアップされています。(現在はバーゼル3が検討中。)

これだけだと、株式分析をしている人から見れば、B/S(貸借対照表)上で「自己資本÷総資産」で求める自己資本比率を維持するのかな、と思うかもしれませんが、実は、この自己資本比率の計算の仕方がBIS規制特有のものであるため、少しややこしい話となっています。

BIS規制の自己資本比率の特徴

BIS規制では、自己資本比率を「自己資本額÷リスクアセット等」で求めます。この比率を8%以上に保つ必要がある訳です。

この自己資本比率は、イメージとしては「損失を負う危険性がある資産(=リスクアセット等)」を、「自分自身の資産(=自己資本額)」でどのくらい補えているか、を示しています。

BIS規制で特徴的なのは、この「自己資本額」と「リスクアセット等」が、単純にB/S上の数値を用いるのではなく、持っている資産をしっかりと整理した上で、本当に自分自身の資産として使えるものと、本当にリスクにさらされている資産とを洗い出し、精緻に計算した数値を用いることにあります。

その結果、より確かな健全性の指標として求められるわけです。

算出する側でなければ、要は、「精緻にやってます」という理解だけでも十分ではあります。

BIS規制の自己資本比率の求め方(概要)

自己資本額は、下記で求められます。
基本的項目(Tier1)」+「補完的項目(Tier2)」+「準補完的項目(Tier3)」−「控除項目」
ここでは、Tier1が最も中核的な自己資本であるということを覚えておけば十分です。要は、同じ自己資本額だとしても、この値が大きいほど、より健全であると言えるわけです。

リスクアセット等は、資産の種類ごとリスクに応じた掛け目(リスク・ウエイト)を考慮して得た額に、オペレーショナルリスクなどの損失が起きるリスクを加味して求めます。
イメージとしては、持っている資産に危険度を考慮した額に加えて、経営管理による危険度(システム障害などによる損失リスク)をも反映した数値です。
例えば、同じ運用資産でも、国債はほとんどリスクがないため掛け目が小さく、株式はリスクが大きいため掛け目が大きくなっており、より実態を反映した数字になっているわけですね。ここでは、資産の特性を反映し、経営におけるリスクも考慮した数値になっていると理解しておけば十分です。

もっと詳しく知りたい方は

きちんと詳細に解説しているウェブサイトはあまりありませんが、項目の内訳等については有価証券報告書に記載されているので、多少知識がある人はそれで概ね把握可能です。
より詳しく知りたい方は市販の書籍(例えばこの本は、よく会社に転がっています。)などが参考になるかと思います。

また、少し古いですが、下記のサイトは経緯に加え、現在導入が予定されているバーゼル3についても概要がわかりやすくまとめられています。

みずほ情報総研(新BIS規制の概要と変異)

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